アスリートが体幹から四肢への連動を通じてパフォーマンス向上を図ろうとしたときに、自分の身体の機能的な動作のチェックも必要です。そして、欠点が見つかったら、それを修正し、強化し、意識してトレーニングの質を高めていく必要があります。今回はそれを支える大切な理論がありますので、詳しくご紹介していきます。

大切なのは自分の身体の動作を意識できる「感性」

このシリーズの中では、サーフィンの例を挙げて、パフォーマンス向上にはパワーを効率良く伝達する運動連鎖が1つのキーであることを述べました。そして、それを実現するイクイップメントとして、STROOPSの選択に至った理由を掲載しましたが、今回は、具体的に体幹から四肢への連動を高めることをテーマとしています。

そして、このテーマに関連するショートストーリーから入っていきたいと思います。

deluxeloop
STROOPS Slastix Deluxe Loop

先日、高崎健康福祉大学スケート部にスポットのコーチングで行って参りました。礼儀正しく、自律的な練習姿勢のある素晴らしいスケート部でした。様々なストレングストレーニングを紹介して、最後の質疑応答の時ですが、ある選手が「ループバンド(STROOPS:デラックス・ループ)を使用する時に、自分は足首に装着すると、どうしても足先に意識が行ってしまいます。他に方法はありますか?」と言う質問でした。

私は「スケーティングのトレースの動作のためには膝上に取り付けると股関節外転筋群に意識できるので試してください。」と応えましたが、この生徒の「意識」という言葉に、個人能力の高さ=感性の豊かさを感じ、「基本だけど、素晴らしい質問だな〜」と感じていました。なぜなら、この生徒は常に「股関節から足先のブレードへの力の伝達を意識してトレーニングを行っていた」という確信を得たからです。

スポーツでは、このような運動連鎖を意識する、意識できる能力であり感性がとても大切だと思います。

運動連鎖を阻害する要因を除去しよう!!

体幹から四肢への連動を高めるために、今までトレーニングについてだけを述べてきました。しかし、その運動連鎖を止めてしまう、つまり、ある部位で力の伝達がブロックされてしまう可能性があります。これはパフォーマンスよりも手前で必要な、身体機能自体を失っている、若しくは欠如している可能性があるのですが、ここを見極めるスクリーニングが必要となってきます。

パーソナルトレーナーとして、またストレングス&コンディショニングコーチでも著名なGray Cook氏のFMSのサイトから引用しますが、Joint-by-Joint Approachと言われる関節・部位の主な役割を定義しています。

Joint-by-Joint Approach

  1. 足首 – 可動性(矢状面)
  2. 膝 – 安定性
  3. 股関節 – 可動性(多平面)
  4. 腰椎 – 安定性
  5. 胸椎 – 可動性
  6. 肩甲骨 – 安定性
  7. 肩関節 – 可動性

上記の順序自体にも意味があるのですが、一例として足首が可動性を欠いてしまった場合に、それを代償するために本来安定するべき膝が無理な可動をしてしまいます。そうすると十分なパフォーマンスを発揮できないばかりか、傷害にまで発展するリスクがある、など上記のリストを見て読み取れるのです。

実際に機能的な問題がある場合には、コレクティブエクササイズなどで修正していく必要があるでしょう。

運動連鎖を高めるためのトレーニングフロー

まとめになりますが、アスリートが運動連鎖を高めるには、

  1. 身体の機能で問題ある部位を特定し、修正もしくは強化する。
  2. 各スポーツ競技を分析し、なるべくそれに近い動作でトレーニングする。
  3. 定期的に上記1. に関するチェックを行なう。
  4. 身体の機能的動作を高めながら、フォームが崩れないように負荷を徐々に漸進させていく。

*大切な事は選手が身体の連動する動作を意識化できること。

上記は全てのトレーナーの考え方ではないと思いますが、何れにしてもパフォーマンスと直結するフィジカルトレーニングは本当に地道だと思います。年齢に関係なく、今から取り組む事で、もしかしたら過去のパフォーマンスと違う角度で自分を見る事が可能だと思います。頑張って下さい!!

次回は、実際のアスリートの運動連鎖トレーニングの一例を取りあげたいと思います!!是非、参考にしてください!!

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