単に筋力トレーニングだけを続けていても、効率よく力を伝えることが出来なければパフォーマンスの向上は期待できません。ファンクショナルトレーニングを取り入れて自身の身体をコントロールしてイメージ通りの動きを自然に繰り出し、動作やパフォーマンスの向上に繋げましょう。

Question

“筋力トレーニングを続けていますが、効率よく力を伝えることが苦手です。
滑らかな動き、頭の中に描いたイメージ通りの動きをする為にはどのようなトレーニングをすべきでしょうか。”

Answer

ファンクショナルトレーニングを行うことをおススメします

ファンクショナルトレーニングの定義は様々ですが、一般的には身体機能/能力を高めるためのトレーニング概念(※方法ではありません)で、「身体を使う、または使える身体を作る」トレーニングです。

人間は身体を動かす際、脳から「○○の部位を動かすぞ!」という命令(信号)が神経を伝っていき、目的の部位にその命令信号が到達した時に動作が引き起こされます。従って、いくら筋力トレーニングをして筋力をつけても、この命令の伝達がうまくできないと、身体を思うように動かすことができないどころか、身に付けた筋肉がただの飾りになってしまいます。

また、人間は、1つの筋肉だけでなく、全身のあらゆる筋肉や関節が連動して一つの運動動作を引き起こし、それらの動作は身体の3つの面(矢状面・前額面・水平面)の上で引き起こされるので、単一的なトレーニングを繰り返し行っても、実際の動作やパフォーマンス力の向上は期待できません。

そこでファンクショナルトレーニングが活きてきます。

滑らかな動きは、神経筋肉系を鍛えるのが鍵

このトレーニングを行うことで、伝達機能(神経筋肉系:Neuro-Muscular System)を向上させることが可能になります。この機能は、いわゆる「運動神経」みたいなもので、この能力が向上すると、外部からの力/内部から発揮した力を目的の動作に効率良く伝えたり、自身の身体を意図した通りに操作して力みのない滑らな動作を行うことができます。

加えて、ファンクショナルトレーニングは全身を連動させ、3つの面の動作を複合的に織り交ぜてトレーニングすることができるので、単一的な動きではなく、実際の動きに直結させてパフォーマンスや動作そのものを向上させることができるのです。

要するに、引き起こしたい動作を無意識に行えるようになり、身体に覚えさせることができます。

従って、実際に行うファンクショナルトレーニングの中で…

  1. 向上させたい動作をイメージする
  2. イメージした動作を引き起こすために必要な身体の部位を見極める
  3. それぞれの部位を意識して、力を入れる部位と脱力する部位を意図的にコントロールする
  4. 力を入れるべき部位の実際の動きに合わせた形で、負荷をかけたトレーニングをする
  5. 必要な部位を全て連動させ、実際の動きの中で(負荷をかけて)トレーニングを行う

ということを意識して行っていくことで、頭の中に描いたイメージ通りの動きを滑らかに行うことができます。

ファンクショナルトレーニングに有効なトレーニング器具

参考までに、私が普段活用しているトレーニング器具をご紹介します。

STROOPSというトレーニング器具。

ファンクショナルトレーニングに非常に効果的で、実際の動作の中で負荷をかけたトレーニングを行うことが可能です。

http://www.stroops-japan.com/

ここのHPに載っている動画を挙げてみましょう。

滑らかな動きのためのトレーニング

0:32~0:45のトレーニング…

動作中、意識の外から不意にプレッシャーをかけられても、体幹だけはバランスを保つために固めながら手足は動かし続けるといったトレーニングです。固める部分と脱力して動かす部分を無意識に使い分けるようになることで、滑らかな動きを行うことが可能になります。

力を効率的に伝えるトレーニング

2:50~3:00のトレーニング…

力を入れるべき部分だけを意識し、全身を投球の形に合わせて連動させ、力を伝えるトレーニングを行っています。

他にも、CNC-magazineの中にStroopsを利用したトレーニングのYoutue動画がリンクされている記事がいくつかありますので、ご参照ください。

http://cnc-mag.com/tag/stroops/

また、ウェイトトレーニングも実戦を切り離して考えず、目的に合った方法で行うようにしてください。この点については、以前掲載した記事が参考になります。非常に重要なポイントですのでトレーニングを行う際は確認してみてください。

参考記事:そのフィジカルトレーニングは正しいか?効果と意味の違いを知ろう

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水川 敏宏
アメリカのカルフォルニア州立大学ノースリッジ校卒業。 専門はストレングス・コンディショニング。サッカーをはじめ、多種目のスポーツ選手の怪我予防・リハビリ・トレーニング指導を行っている。トップアスリートだけでなく、老若男女、人種問わず、全ての人々を対象に幅広く活動。トレーナーの知識や技術はプロだけでなく、全ての人が受けることのできる恩恵である。怪我をしたがどうすればいいのか分からない。何のトレーニングをどう行えばいいのか分からない。どの情報を信じていいのか分からない。そんな“分からない”を失くす為、Change the Value of Sportsを信念に、株式会社CORE ‘N CODEでスポーツの浸透と普及を目標に日々精進中。STROOPS FUNCTIONAL PERFORMANCE TRAINER.