前回のコラムでは、客観的に自分を見ている視点に立ってイメージトレーニングをするという「外的イメージ」を用いたトレーニング方法をお伝えしました。そして今回は、自分自身がプレーしていて、ボールを打つ、投げる、蹴る時の重みを感じるなど、実際に自分が感じている感覚にフォーカスするという「内的イメージ」を用いたトレーニング法をお伝えしていきます。

筋肉の動きを感じとる。

内的イメージは、外的イメージと違い、自分の体全体は見えず、自分の視界から見えるモノと、自分が感じている体感覚の情報が入ってきます。その中で特に大切なのは「筋感覚」です。スポーツによって使う筋肉は違ってきますが、自分が使う筋感覚を感じられるまで、トレーニングすることが大切です。

内的イメージも、前回紹介した外的イメージと同様、リラックスした状態で仰向けになったり椅子に座ってもいいですが、「シャドーイメージ」を取り入れることをオススメします。シャドーイメージとは体を動かしてイメージすることです。野球でいう「シャドーピッチング」という言葉が馴染み深いかもしれません。内的イメージを用いたトレーニングは、シャドーイメージを中心に行うことで効果が上がります。

コツは、最初はスローテンポで行うということ。動作を早くしてしまうと、イメージが追いついていかずに、ただ体を動かしているだけになってしまいます。

自分のベストシーンを思い出す。

自分のベストシーンを思い出してみましょう。野球ならピッチング、バッティング、送球。サッカーならフリーキックやパス、ヘディング。テニスならサーブ、レシーブ、アプローチショット、ボレーなど。自分のベストプレーを思い出してみましょう。

この時、筋肉の感覚を感じながら、実際のプレーと同じくらいの疲れ方までイメージする必要があります。最初のうちは、集中できない、鮮明にイメージできない、悪いイメージが出やすい、イライラする、イメージが途切れる、といったようなことが起こりますが、気にしないでください。脳科学的にも内的イメージによるトレーニング中には、脳内の運動野(※運動を司る場所)の活動が見られることが報告されています。運動野の活動が活発になれば、イメージに近いプレーが実際にできるようになるのです。

本番を想定したプレーには、内的イメージトレーニングが有効

筋肉の使い方が脳にイメージされることで、イメージに近いプレーが本番で再現されます。イメージができないことは本番でもできません。ただし、内的イメージトレーニングは本番直前にやりすぎると、脳機能が疲れ切ってしまって逆効果ですので注意してください。

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森裕亮
2012年に愛知工業大学経営情報科学部経営学科スポーツマネジメント専攻を卒業。その後、日本オープン ポイントランキング(通称JOP)対象のツアートーナメントに出場するため全国各地の大会を回る。2014年に選手活動を終えると同時に、ベースメット・ ジュニアテニスアカデミーを開講。それと時期を同じくして、言語学と心理学を基礎として発達し、学問的背景を備えた心理学の実践ツールである、米国 NLP™協会認定の最強コミュニケーション手法NLPや、メンタルカウンセリングの最重要土台となる臨床心理、そして、セラピーティックカウンセリングに おける一つのツールであるTransactional Analysisi(交流分析)や、選手一人一人の特性を把握し活かすことにも最適な手法LABプロファイリング等 といった、様々な医学的・科学的根拠にもとづいた心理的アプローチの手法を学び、メンタルトレーナー/カウンセラーとしての活動にも着手し始める。現在は ジュニア選手の育成・指導の他、保育園や小学校といった各教育関係機関や某公的機関、一般企業などでの研修活動にも携わっている。