アスリートは、隠れ貧血が多いと前回ご説明しました。スポーツ貧血は原因と内容によって大きく3種類に分類する事ができます。何が原因でどのような貧血が引き起こされてしまうのかを取り上げていきます。それぞれの原因と内容を知り、避けるための対策を見ていきましょう。

前回に引き続きスポーツ貧血について取り上げていきます。

今回はスポーツ貧血の原因別による分類について詳しく見て行きます。

スポーツ貧血の原因と分類

アスリートが陥りやすいスポーツ貧血ですが、原因と内容によって大きく3種類に分類する事ができます。

貧血の種類、原因と内容

1. 鉄欠乏性貧血

スポーツ性貧血の原因として最も多く見られるのが、鉄欠乏性貧血です。様々な要因によって引き起こされますが、アスリートは一般の人よりも鉄を失う機会が多く、特に女性アスリートは月経等により鉄分の喪失が加わるので注意が必要です。

  • 鉄の喪失:出血(消化管出血、怪我、過多月経)、発汗、血管内溶血、筋肉の損傷による鉄の損失量の増大
  • 鉄の需要増大:成長に伴う需要増大、筋肉量の増大、循環血液の増大
  • 鉄の供給低下:摂取不足(偏食、減量等の食事制限)、ビタミンB群、Cの不足、鉄の吸収を阻害するカルシウム、リン、食物繊維の過剰摂取

対策としては月並ですが、赤血球の合成を促進する栄養素を多く摂り、鉄等の吸収を阻害する栄養素の摂取を控える事です。

詳しい内容については次回の記事にて取り上げてさせていただきます。

2. 溶血性貧血(運動性)

溶血性貧血は、特に運動中に足低部を頻回撃ちつけるような長距離走、バレーボール、バスケットボール、剣道などの選手に多くみられると言われています。

通常の溶血性貧血と違って、運動中の足裏等への強い衝撃の反復により引き起こされます。足裏へ衝撃が反復して加わると足裏にある血管内の血液中の正常赤血球が破壊されてしまいます。

赤血球の寿命は通常120日程度ですが、脊髄で新しく作られることで常に一定の量に保たれます。しかし、破壊される赤血球の数が新しく作られる赤血球の数を上回ってしまうと、血液中の赤血球が減少し貧血となってしまいます

足裏への衝撃を和らげる事で多少のリスク回避は可能ですが、完璧に防ぐ事は出来ません。赤血球の破壊を防ぐ事より赤血球が合成が滞り無く行われるよう、鉄を始めとした栄養素を補給する事が望ましいでしょう。

3. 希釈性貧血

希釈性貧血は、運動や競技のトレーニングを行うことにより血液の液体成分である血漿が増え、反面ヘモグロビン量は変化していない為貧血に見える状態で、見かけの貧血と呼ばれています。これは運動に対する生体の正常な反応で、血液を少し薄めて筋肉の末端までの循環を通し安くし、効率よく筋肉を動かす事につながります。持久力等のパフォーマンスに悪影響は無く、むしろ好ましい状態と言われています。治療の必要はありません。

如何でしたでしょうか?

何故アスリートに貧血が多いのか?その理由が分かっていただけたかと思います。次回は貧血対策の方法について詳しく掘り下げていきます。


141100 – Athletics track Patricia Flavel finish line – 3b – 2000 Sydney race photo” by Australian Paralympic Committee. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

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