前回はミネラルの基礎編をご紹介しましたが、アスリートと密接に関わるミネラルにフォーカスして、不足による悪影響をご紹介します。ミネラルの不足はアスリート人生を左右するほどのリスクがありますので注意が必要です。

前回はミネラルの大枠についてご紹介しました。今回はポイントを絞り、アスリートのパフォーマンスに致命的に関わってくるミネラルについて取り上げて行きたいと思います。

何故アスリートはミネラルが不足しがちなのか?

アスリートは一般の人よりもミネラルの欠乏による症状が隣り合わせにあります。その最たる原因として挙げられる物は、汗によるミネラルの損失です。汗といえば塩分、つまりナトリウムの損失がイメージされますが、失われるのはナトリウムだけではないのです。汗によって失われるミネラルは次の様に言われています。

ミネラル分の目安としては、ナトリウムが 0.9 g/L、カリウムが 0.2 g/L、カルシウムが 0.015 g/L、マグネシウムが 0.0013 g/L ほどである。その他のさまざまな微量元素も汗と共に排出される。濃度の目安(実測値には15倍ほどものばらつきがある)としては、亜鉛が 0.4 mg/L、銅が 0.3–0.8 mg/L、鉄が 1 mg/L、クロムが 0.1 mg/L、ニッケルが 0.05 mg/L、鉛が 0.05 mg/L ほどである。これらよりもさらに少ない微量元素も、それに応じた低い濃度で汗と共に体から流出するものと考えられる。 参照:wikipedia 【汗:組成】

上記の様に、汗によって多くのミネラルが失われますが、アスリートの発汗量について、夏場の高気温下で運動した場合、1時間で1ℓ以上もの発汗があるというデータも報告されています。

如何にミネラルが不足しやすいのかという事が分かるかと思います。

カルシウム不足に注意!

このデータではカルシウムは汗1ℓ中に15mgとなっていますが、他のデータには40〜50mg/ℓも失われるという物もあります。仮に50mgだとした場合、4ℓの汗をかけば牛乳200mlに相当するカルシウムが体外へ流出してしまう事になります。

ほかにも、疲労によって胃腸の吸収力が低下していたり、水分補給によって尿からの排出回数が増加したり、減量時の食事制限によって摂取量が減少したりと、アスリートはカルシウムを失う機会が非常に多いのです

カルシウムが不足する事で次の様なリスクが考えられます。

  • 血液バランスや血行が乱れ、足のツリや、手足がしびれやすくなる
  • 骨粗鬆症の引き金となり、骨折を始めとした怪我のリスクが高まる
  • 免疫力が低下し、感染症等が発症しやすくなる
  • 血圧の上昇(高血圧)や、血管の老化(動脈硬化)が促進される

カルシウムが不足する事はアスリートにとって致命的です。常に不足しない様に心がけましょう。

アスリートに貧血が多い理由

アスリートの健康管理において、栄養士など栄養指導の専門家でも苦労するのが貧血対策だと言われています。その理由は、アスリートは汗による鉄分の流出以外にも鉄分が失われてしまう原因があるからです。

  • 食事制限による、食事からの鉄摂取量の不足
  • 消化管出血や血尿
  • 着地時等の衝撃による、足裏の赤血球膜の破壊
  • 汗からのの鉄の流出

上記の4種類が主な鉄分損失の原因となっています。激しい運動を行えば行うほど損なわれる鉄の量は増加してしまいます。特に女性アスリートは月経によっても鉄が失われてしまう為注意が必要です。

ビタミンCと銅が貧血防止に役立つ!

ビタミンCは鉄の吸収を促し、銅は鉄のヘモグロビンへの合成を促進してくれます。鉄のみに着目するのでは無く、働きを高めてくれるビタミンCと銅も一緒に取り入れる事で貧血対策の効果を高める事が出来ます。アスリートの貧血については今後の記事でより深く取り上げる予定です。

如何でしたでしょうか?アスリートが一般の人よりもミネラルに注目すべき理由が理解していただけたと思います。ミネラルの不足は即パフォーマンスの低下に繋がり、最悪アスリート人生を左右する事もあります。ミネラルの重要性を認識して、上手に付き合ってみて下さい!

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