スポーツ貧血予防のために摂取すべき鉄分。しかし、これが厄介なのです。食品毎に異なる吸収率や鉄の種類や分類に応じて、吸収率に違いがあるなど…。今回は鉄の効率的な摂取を知る上で大切な、鉄の種類と分類について取り上げます。

引き続きスポーツ貧血について取り上げていきます。

前回では貧血予防対策の為に、鉄を摂取する事が大事だとご紹介しました。しかし、ただ闇雲に鉄を摂取するだけでは十分に吸収されず、意味がなくなってしまう場合が多く見られます。今回は効率よく鉄を摂取していく為に絶対に知っておいて欲しい鉄の種類についてご紹介します。

抑えるべき鉄の種類

鉄の摂取はとても重要ですが、鉄の種類によって吸収率や摂取時の注意点等に大きな差があります。ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分類する事ができますが、それぞれの特徴を知り、自分にあった鉄の摂取を行う事が重要となります。また、体内での鉄の働きによっても2種類に分類する事ができます。まず体内における鉄の分類をご紹介します。

鉄が体内でどのように存在し、働いているのかを見てみましょう。

1. 機能鉄

ヘモグロビンの材料となっており、体内の鉄の約60%を占めています。酸素運搬や酵素機能を担っています。また、筋肉中のミオグロビンは、筋肉に酸素を貯える働きをしています。これも機能鉄の仲間で、その割合は約10%ほどです。筋肉を動かすには、必ずエネルギーを作り出す酸素が必要で、ミオグロビンによって、体をスムーズに動かすことができるのです。

2. 貯蔵鉄

貯蔵鉄は肝臓や骨髄、脾臓(ひぞう)などにある鉄のことで、割合は20~25%と言われています。鉄の貯蔵や輸送に使用され、偏食や、無理なダイエット、生理などによって、機能鉄が不足したときに、血液に溶け出して不足分を補う役割をしています。

予備の鉄といってもよいでしょう。このため、一時的に鉄が不足しても、すぐに貧血の症状が現れることはありません。不足した状態が長く続いて、貯蔵鉄のストックがかなり少なくなったときに、初めて貧血の症状が現れ、この状態が鉄欠乏性貧血と呼ばれています。

3. 組織鉄

髪の毛や爪、皮膚などの成分の一部になっている鉄で、割合は全体の5~10%ほどです。貯蔵鉄が極端に少なくなると、髪のうるおいが無くなり、肌荒れや爪が割れることもあります。

鉄の摂取で重要なヘム鉄と非ヘム鉄

続いて鉄そのものの分類になります。こちらは鉄の摂取においてとても重要な情報になります。

1. ヘム鉄

ヘム鉄は主に動物性食品に含まれていて、ヘムという形で鉄を含んでいます。ヘムとはヘモグロビンやミオグロビンの材料ともなる物質で、二価の鉄(Fe2+)をプロトポルフィリンという有機化合物が囲んでいる状態です。

二価鉄は、溶けやすくイオン化しやすいのが特徴で、そのため非ヘム鉄と比べ吸収率が高く、そのまま小腸細胞から消化吸収されていきます。吸収率は10〜20%と言われています。さらにヘム鉄は有機化合物に囲まれている為、胃腸や腸管を傷つけにくいと言われており、食物繊維やタンニンの影響を受けず、一緒に食べた食事内容に影響されない性質も持ち合わせています。

2. 非ヘム鉄

非ヘム鉄は主に植物性の食品や海藻類に含まれています。ヘム鉄と違い、基本的に「Fe3+」つまり三価鉄の形をとっています。これはサビや無機鉄の鉄イオンの仲間で消化吸収されにくい構造になっています。非ヘム鉄は構造上、鉄がむき出しの形になっているので胃腸や腸管を傷つけやすいと言われています。加えて、タンニンや食物繊維に吸収を阻害されるなど一緒に食べる物にも注意する必要があります。吸収率は1~6%と言われていて、ヘム鉄に比べると吸収率の面でかなり劣ってしまっています。

参考情報1:ヘム鉄・非ヘム鉄の食品(ILS株式会社)

各種食品中の鉄含量について詳しく書かれていますので、参考になります。

参考情報2:鉄吸収率比較表(ILS株式会社)

同じく、各種食品のうち、鉄の吸収率に関するデータがグラフ化されています。

 

如何でしたでしょうか?

今回は次回の内容である鉄摂取における具体的なポイントや注意点のための大切な情報となります。次回までにしっかりと理解しておきましょう。


ほうれん草 2014-02-27 22-16” by User:Ziuto0727Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

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