アスリートにとってメンタル強化について重要な関心ごとでしょう。一方、ヨガに対するイメージはどちらかというと一般向けのエクササイズ程度の認識です。しかし、ヨガのすごさはメンタルを強化するその効果にあるのだそう。これを読むとヨガに対するイメージが変わります。アスリートこそヨガをやるべき。今回はヨガをライフワークとする女優、早坂理恵さんに寄稿いただきます。

今回はヨガをライフワークとする女優、早坂理恵さんに特別に寄稿いただきました。また、早坂さんご自身が、世界的なヨガインストラクター資格である全米ヨガアライアンスRYT500 有資格者であり、ヨガを軸としたウェルネス情報を配信するメディア、TULAを運営するなど様々な情報発信もなさっています。

一方、CNC MAGはハイパフォーマンスを達成しようとするアスリートのための情報を配信しているメディアです。私たちの専門であるフィジカルトレーニングの重要性はもちろんのこと、メンタルの重要性をこれまで提案してきました。

今回はヨガの専門家である早坂さんに、ヨガの呼吸法やマインドフルネス瞑想の効果についてお聞きし、アスリートがトレーニングに取り入れることで期待できる効果などを紹介いただきます!


なぜトップアスリートはヨガや瞑想を取り入れるのか?

誰もが知っている、現テニス世界ランク1位のジョコビッチ選手。彼はご自身の著書でも紹介していることから、トレーニングにヨガと瞑想を取り入れていることを知ってる方も多いかもしれません。※1

イチロー選手が試合前のロッカー室で20 – 30分ほど、目を閉じて瞑想していることをジーター選手が紹介しています。ジーダー選手曰く、瞑想が終わりゲームになると、誰も彼に話しかけられないほど鬼の形相でスイッチが入ってるとも。※2

またサーフィンの世界で11度のワールドチャンピオンになったケーリー・スレーター選手もヨガをやっているとのことで、世界のトップと呼ばれるアスリートは、意外にもヨガや瞑想を取り入れていることに気づきます。※1

残念ながら選手本人がその理由を語っているソースは見当たりませんでしたが、ヨガや瞑想の効果を知る私たちにとって、自然と理解できることなのです。

まだアスリートの方でトレーニングにヨガや瞑想を取り入れている方は少ないかもしれませんが、今回はヨガやヨガの持つ呼吸法、そして瞑想の効果をご紹介し、トップアスリートの方々がヨガや呼吸法、瞑想でどのような恩恵を受けているのか探っていきたいと思います。

ヨガや瞑想を取り入れることで得られる効果

CNC MAGを読むほどのアスリートの方ならご自身で高い目標を設定し、一般の方が想像できないほど強度なトレーニングを行っていることでしょう。

そうした強度のフィジカルトレーニングを行っている方からすればヨガで得られる身体的な効果は物足りないと思うかもしれません。しかし、ヨガはエクササイズとしての側面だけでなく、メンタルへ働きかける確かな効果があることは是非とも知っておいてほしいのです。

1. アウェアネスで集中力が高まる

集中力ほどアスリートの皆さんが欲するものはないのかもしれません。先ほどのイチロー選手ではありませんが、いつものルーティンが終わり試合に入ると誰も声をかけられないほどに集中しているとジーター選手は言っています。

マインドフルネスは、「今この瞬間」の自分の体験に意識を集中し、自分がいま何を考えているか、何を感じているか、周囲で何が起きているかを受け入れ、気づくことです。つまり今への集中であり、この集中力は瞑想でトレーニングできることが科学的に実証されています。

2. ネガティブな感情を排除する

試合前になると、勝てるという感覚の前に、負けたらどうしよう?、いつも通りのプレーができるか?といったネガティブな感情が次々と沸き起こってくる方もいるかもしれません。それはアスリートの身体的な競技能力ではなく、マインドの問題ですね。実力があるにもかかわらず、自ら自信を壊す原因はあなた自身のネガティブな思考なのです。このネガティブな思考はどのように生まれてくるのか?

世界的なヨガ流派の一つであるシヴァナンダヨガでは、ヨガの一つの要素としてポジティブ思考と瞑想をあげています。「前向きな思考」には枠組みがあり、それを理解した上で瞑想でネガティブな思考を払いのけて、心を鎮める。そして集中したマインドと意識を生み出すことが可能です。

これもまたヨガの効果であり目的なのです。

3. プレッシャーからのストレスを低減する

勝負事の世界。アスリートにプレッシャーはつきものでしょう。家族や友人、あなたの大切な人などの声援が時に重苦しくのしかかってくるものに変わるかもしれません。そのような感覚は、何もあなただけのものではないはずです。

マインドフルネス瞑想はマサチューセッツ大学のジョン・カバットジン博士が、チベット仏教の僧侶が行なっていた瞑想の効果を分析し、ストレス低減プログラム(MBSR; Mindfullness Based Stress Reduction)として開発したものです。

MBSRはストレス性胃腸炎、頭痛、高血圧、不安障害など幅広い効果が認めており、ストレス低減のための方法論として確立。その後、医療業界を超え、GoogleやFacebookといった超一流企業内の研修プログラム、そしてスポーツ業界ではFIFA、米国オリンピックセンターにまで取り入れられるほどになっています。

4. 緊張と弛緩の意識的なオン・オフ

ブラジリアン柔術で伝説とも言われるヒクソン・グレーシー選手。彼はヨガを本格的に取り入れていることで有名です。ペースの速い呼吸法、動作と呼吸を同期する、横隔膜を上に引き上げる腹式呼吸。これらはヨガの呼吸法です。

そもそも呼吸は私たちと身体と密接につながっており、それは自律神経を通してアクセスができます。交感神経と副交感神経からなる自律神経は、文字通り自律的に働くのでそれは意識してコントロールできないと言われていました。しかし、最新の科学では呼吸を通じて自律神経に働きかけができることがわかっています。

試合の前の戦闘モードでは浅く、速い呼吸法をとることで交感神経を優位に。一方、試合後などのリラクゼーションが必要な時は深く、長い呼吸。こうして副交感神経と交感神経を制御し自分の身体の緊張と弛緩をコントロールできるのです。

上記のヨガの効果は主にアスリートに対して関連の高いものですが、他にもまだあります。TULAというメディアにてヨガの身体的効果精神的な効果など、ヨガの効果がもたらす変化について詳細を取り上げていますので是非参考にしてみてください。

トップアスリートはヨガや瞑想で”マインド”をトレーニングしている

トップアスリートがヨガを日常のトレーニングに取り入れるのは、おそらく身体的なストレッチ効果を期待しているよりも、マインドを整えることを目的に活用しているのではないでしょうか。普段のトレーニングはもちろんのこと、さらにその上の高みを目指すにはマインドをいかに整えるのかが大切であることは想像に難しくありません。

しかし、マインドやメンタルをトレーニングする方法論はありますが、まだ身近とは言えません。そうした意味でヨガや瞑想はアスリートのマインド、メンタルをトレーニングする上で最も身近で取り入れやすいと言えそうです。

またヨガや呼吸法、瞑想はイクイップメントはいりません。集中する時間が必要なだけです。あなたのトレーニングのルーティンに、また生活習慣にも無理なく取り入れることができます。

是非ともヨガをトレーニングの一つとして取り入れることを考えてみてください。

ヨガを始めるなら太陽礼拝から

ヨガを始めるなら”太陽礼拝“という8つのポーズ(アーサナ)が連続したヨガのシークエンスから始めることをお勧めします。この8つの連続するアーサナは基本にして奥深いもの。これを繰り返すことで動作と呼吸とを同期し、深い自己探求から煩悩や迷いを捨て去るのです。実はヨガのポーズは動く瞑想でもあるのです。

太陽礼拝はヨガ初心者の方も経験者の方も同様に行うもので、朝の習慣として毎日する方もいます。

また、最後に宣伝となりますが、2016年4月24日(日)・5月29日(日)・7月31日(日)の3日間、東京ツ谷でヨガのイベントを開催します。テーマは太陽礼拝。太陽礼拝の各アーサナを細かく、インストクションし、最終的に自分で太陽礼拝を行えるようにするもの。イベントナビゲーターとして私、早坂理恵と講師はヨガインストラクター界で知る人ぞ知る、ヨガの達人チャック先生こと村井千晶先生。チャック先生はヨガインストラクター養成にも携わる経験豊富なヨギーニ(ヨガする人)です。

もちろんスタジオでヨガを始めることでも良いのですが、始めるなら是非とも経験豊富な先生に習いたいもの。この3日間は経験豊富な先生に細かく、深く学べるチャンスです。

是非ともアスリートの方々の参加お待ちしています。

詳細はこちらからご覧ください。

太陽礼拝ワークショップ

 

TULA Experience Day – 太陽礼拝 STEP BY SEP PRACTICE


参考情報

早坂理恵(はやさかりえ)

ヨガをライフワークとする女優・モデル。ヨガやマインドなど真の健康をテーマにしたウェブメディア TULA 代表。「水素美容のひみつ」(産学社 刊)著者。(全米ヨガアライアンスRYT500 / RPYT / RCYT / YOGA.ed / シニアヨガインストラクター/ フィジカルトレーニングインストラクター / アンチエイジングアドバイザー)

早坂理恵について

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