引き続きスポーツ貧血について取り上げていきます。今回はスポーツ貧血のみならず、貧血全般でも活用できる予防対策をご紹介します。効果的な対策を行うために必要な基礎知識を見ていきましょう。

前回に引き続き、スポーツ貧血を掘り下げていきましょう。

貧血の定義と予防対策

貧血と聞くと血液が足りていないというイメージを持っている人も多い方と思いますが、正しくは血液中のヘモグロビン量が低下している状態を指します。血液が足りていないというよりは、血液が薄くなってしまっている状態です。基準値は諸所で若干異なりますが、概ね男性でヘモグロビン濃度13.0 g/dl、女性で12.0(あるいは11.5) g/dl以下が貧血とされています。

つまり貧血予防対策とは、血液中のヘモグロビン量を増やす事と同義なのです。

※あくまで一般的な予防策としてであり、治療ではありません。

ヘモグロビンとは?

「貧血予防対策=ヘモグロビンを増やす」と書きましたが、まずヘモグロビンについて触れておきます。ヘモグロビンとは血液に含まれる赤血球中の大部分を占める血色素の事で、ヘムという鉄を含む色素とグロビンというたんぱく質で構成されています。そして、このヘムが合成される際に鉄が必要となります

鉄が不足すると、ヘムの合成が低下し、結果ヘモグロビンの合成も低下して貧血になります。ヘモグロビンは赤血球の幼若な段階である赤芽球に含まれるミトコンドリア等で合成されます。しかし、成熟した赤血球ではヘモグロンの合成は行われません。ヘモグロビンが常に新しく作られるよう、赤血球の合成に必要な栄養素も欠かす事はできません

正しく鉄の必要量を把握しよう

ヘモグロビンを増やすにはヘムの材料となる鉄が必要となりますが、1日に必要な量はどれほどなのでしょうか?下記の表は厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」に掲載されている鉄についてのデータです。

鉄の摂取基準

 

表にある通り、1日に必要な鉄の量は、成人男性では7mg以上、女性の場合は月経に左右され、6〜11mg程となっています。さらに妊娠中期には+12mg以上とかなりの量が必要となります。妊婦の方の30〜40%が貧血であるとも言われており、女性の方は鉄の摂取を特に意識しなければならないでしょう。

上記の「日本人の食事摂取基準」以外のデータでは、それ以上の量の鉄が必要と謳っている物が多く見られます。通常の食事で過剰症になる可能性はほぼ無いと言っても良いので、積極的に鉄の摂取を行ってください。

貧血と診断されてしまったら

貧血には赤血球や血液の状態によって様々な種類や原因があり、鉄の摂取のみの治療では十分でない場合があります。自己判断せずにしっかりとした指導を受ける事をおすすめします。貧血を放置した場合、悪化こそすれ改善はしません。悪化によるリスクには危険な物が多数ありますので、早めの処置が重要です。

如何でしたでしょうか?

次回は鉄の摂取において絶対に知っておいて欲しい鉄の種類について取り上げていきます!

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